No.45(2010/4/26)




基本情報
タイトルFifteen Hounds
サークルMUYM
作品サイト
ジャンルAVG
発売日2010年2月26日
値段3000円(税抜)
シナリオ森廣達哉
音楽M@SATOSHI
kaiga、鍋焼き猫、加画都、吉岡よしこ、水月、ハル
ヒロイン古江暦、クリスティーヌ・S・バーグランド、小林瑠璃香、紙谷乙姫、鷲原左京、池田弥生
その他PC全年齢・非ギャルゲー
主題歌有り(ALICE):「VAMPIRE」「雪景色」
ダウンロード販売あり

購入経緯
こんな辺境サイトにもレビュー依頼が来たので。
頑張ってレビューしましょう、ということになりました。

こんな人にオススメ!
サスペンスバトルものがやりたい人。
しっかりしたストーリーのある作品がやりたい人。

主人公

★水島蓮梧(仮)(みずしま れんご)★【固定】

【音声】
無し

【主人公の呼び方】
水島君、蓮梧君、蓮梧etc...

ストーリー・コンセプト

――― 一体、誰が冬香を殺したんだ? ―――
3通り存在する30年後の世界。
存続できる未来は一つだけ。
命を賭けて戦う選ばれし15人の未来人。
スパイとして冬香の仇を探す主人公・蓮梧。
生か死か
乾坤一擲の戦いが幕を開ける。

まぁ、本当はもっと複雑なんですけどね〜。
徐々に伏線が明らかになっていく、ラストは少し暗めのSF作品です。

シナリオ・テキスト

テキストに関しては…ちょっと分かりにくい部分もあったかも。
ボイスがないので「えっ? この台詞、誰の発言?」っていうのが何度もあった。
口調に特徴のある橋本とか池田とかはすぐに分かるんだけど。
あとは誤字とか…文章が少し分かりにくいところとかも結構あったかな。
少し考えれば「あぁ、そういうことね」って分かる範囲のが多かったけど、一読しただけじゃ「あれ?」とバックログ参照することもしばしば。
特に、第三者視点の場合は主語がいつの間にか入れ替わってたりするので、その点分かりやすくしてほしかった。

後はパロディネタの使い方かなぁ…もちろん、笑えるのも多かったんだけど。
せめてこの人はこれ系統のネタ、この人はこれ系統のネタっていう風に分けて欲しかったかも。
「このキャラは○○方面が好きで詳しいんだな〜」ってのがあって初めてパロディはキャラの個性にまで持っていける。
これが出来てないと、レベルの低いパロ漫画みたいに「キャラが喋ってる」じゃなくて「キャラを借りて作者が喋ってる」みたいに感じられちゃうんだよね。
つまりキャラの個性殺し。
キャラの個性を重視する萌えゲーマーにとってこれは致命的。
特にオタネタを使う人物は選んで欲しかったなぁ…。
「月が綺麗だね」の後のパロディは流石に引く…というのが正直な感想。
せっかくのいいシチュエーションもぶち壊し…(´・ω・`)

反面、バトルシーンはよかったと思うよ、演出もグッド!
ED5【A STORM IS COMING】の乱戦模様は興奮でシビれた〜!
戦闘シーンではこのEDのが一番盛り上がった、と思うのは僕だけじゃないハズ(`・ω・´)
正直最初は戦闘シーンも気持ち盛り上がらなかったんだけどね…「最初から脱落は無いでしょw」と高をくくってる節があったから。
後になれば後になるほど気分的にも盛り上がってくるね。
特に上で書いたED5はどっちに転ぶか分からないっていうハラハラドキドキ感が最高潮に達してるから。
でも、紹介にある15人のバトルだけに期待して買うと肩透かし食らっちゃうかもしれないけど(^^;
人vs人よりも、どっちかというと人vs化物の方が多い印象。

シナリオの方は、よかったね!
OPムービーでも流れる「忘れるな、三十年後、絶対オマエを殺してやる!」というの…誰が、誰に向かって、どういう状況で言った台詞か考えながらプレイすると楽しさも増すと思う。
1ルートエンディング迎えて「あぁ、とりあえずはこれで解決、かな」と思ったら実は…という構成で、次のルートが気になるようになってる。
いやはや、これは上手だね。
でも、エンディングは基本的に救われない…大団円エンドは無いと思ってください(´・ω・`)
まぁ、殺しあうって時点で全員生存ハッピーエンドなんてあり得ないって感じですよね(^^;
基本的にはバジリスクみたいにバッタバッタと脱落していくし絶望的エンディングも多いけど、ほんの少しの希望があるエンディングもある。
個人的には、どのエンディングもすごく好きだね。
トゥルーエンドは重い…重いけど、これも好き。

後は主人公か…このヘタレめっ!w
最後のルートのアレは何だ!だらしない…!
っていうか、そもそも何であんなに冬香にこだわるんだろう?
家族でもない、本人自身元恋人って割り切ってるし(というか元々上辺の彼女としか見てない)、未練がある描写も一切無い。
確かに見舞いに来たから殺されたってのはあるかもしれないけど…。
完全に過去の人って位置づけなのに、あそこまで復讐心を燃やしますかね…。
ただのクラスメイトが誰かに殺されても、怒りは感じるかもしれないけど、復讐まではやらないよね。
冬香云々じゃなくて「未来だか何だか知らないけど、俺の時代に勝手に乗り込んできてクラスメイトを殺した奴が許せない」って感じなのかな。
「俺の時代は俺のもの、つまり俺の時代に生きている冬香も俺のもの、傷つけるのは許せない」みたいな?
…そんな描写は無かったけど。
冬香に関しては、もうちょっと心情描写が欲しかったかなぁ。

音楽

まずは主題歌について。
OP曲は作品の幕開けに相応しい曲になってる、悪くないね。
ムービー再生で何度も見るのを推奨。
ED曲の雪景色はこの作品のエンディングにすごく合ってる。
悲壮感漂う旋律、歌詞…エンディングを迎えた時この曲を聴きながらシナリオを思い出すと、より一層作品に浸れる。
一言で言うと、マジかな名曲。

BGMも40曲以上とすごく豊富で、全然チープな感じはしない。
戦闘曲、緊張してる時の曲、落ち着いてる時の曲、楽しい時の曲、悲しい時の曲etc…それぞれ何種類かあって、聞き飽きることもない。
パッフェルベルのカノンやエリーゼのためにといったクラシック曲を連想させるアレンジもあったね。
戦闘時の盛り上がりではこの音楽がすごく重要な役割を果たしてる。
個人的にはシナリオのところでも触れたED5で流れた「放たれた地獄」が好き。
使い分けもよく出来てたと思う。

音楽に関しては、大満足です、大好きです、はい。
主題歌フルバージョン含めて、サントラは出ないんですかー?

絵・キャラ

田乃頭の戦闘表情が(*´д`)
1ルート目のCGもカッコよかったな、最高。
はっはぁぁぁぁぁぁ!!!なあの表情が好きだw
でも公式のキャラ紹介にある「一度見たら癖を見抜き、二度見たら必ず勝つ」っていうの、一回も作品中で触れられてない気が(´・ω・`)
それが残念。

どのキャラも何かしら特徴があって、それはよかったと思う(*´▽`)
それはいいんだけど、この作品はキャラが多い!
多分、普通にプレイしてたら次々出てくる新キャラを把握しきれないんじゃないかなぁ…。
僕の場合、常にゲームと一緒に公式のキャラ紹介を開いて、キャラが出てくる度に何度も参照繰り返して名前覚えた。
説明書にキャラ紹介とかあれば、説明書片手にプレイ出来るから楽なんだけど…説明書ついてないし!w
脇キャラも印象に残るキャラが多くてよかったです(^^

雰囲気

殺し合い…のハズなんだけど、キャラがアレなのばっかりだから普段はギャグが多いw
それでも後半になればなるほど戦闘も激しくなるし、脱落者も多くなるし、重い雰囲気になってくる。
ただ、シナリオのところでも触れたけど、雰囲気やキャラ壊すほどのギャグはちょっと…。
江奈古逃避行エンドはあれはあれで好きだけどw
同人の自由っぽさがあって面白かったw

総合
良い所も悪い所もあったけど、終わってみれば充分に楽しめる作品だった。
これはプレイして損はないよ。
報われないエンディングが嫌いじゃないなら、ね。

あとは、これは計算外なんだけど、予想以上にキャラ同士の会話が楽しかった。
同人なので難しいかもしれないけど、フルボイスだったらずっと楽しめた作品だと思う。
それと、これだけいいキャラ達が揃ってるんだから、殺し合いじゃなくて日常を描いたら面白そうだね。
シナリオが殺し合いとか冬香を殺したのは誰かを探るっていうのだから、キャラに親しみを持つまでに結構時間かかる…。
そういうの抜きで4コマ漫画とかやったらすごく楽しいだろうな〜(*´▽`)

最後に、おまけのゲームがオセロなのは困った…(´・ω・`)
オセロ、苦手なんだよね…将棋なら得意なんだけど。
おまけのゲームは、ゲーム内容のクイズとかだったら公平なんだけどな〜…と思う。

ゲーム内容のボリュームは充分すぎてびっくりしたくらいです。
見つけたらぜひ手にとって見てくださいな♪


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